3大クラウドの資格を全種取得して38冠になってみた

3大クラウドの資格を全種取得して38冠になってみた

現在ベータ版の資格を除いてAWS13冠、Azure16冠、GCP9冠を達成しました
Clock Icon2021.06.10

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CX事業本部@大阪の岩田です。昔からクラスメソッドにはAWS認定資格の受験費用を会社が負担してくれる制度があるのですが、1年と少し前からAzureとGCPの試験についても会社が費用を負担してくれるようになりました。せっかくなので、この制度を活用していわゆる3大クラウドの資格を全てコンプリートしてみました。

合計で38冠になります。

※補足

  • 既に廃止されたAlexa Skill Builder - Specialty含めてカウントしています
  • CertMetrics上の表記に従ってBig Data - SpecialtyとData Analytics - Specialtyは別資格としてカウントしています
  • GCPのCloud Digital Leaderなる資格がもうすぐ受験可能になるそうですが、今回は対象外としています
  • MicrosoftのWindows Virtual Desktop Specialtyも区分的にはAzureに分類されるようですが、現在ベータ版のため対象外としています

証拠を見せろ!

はい。こちらです。AWSとAzureはCredlyのAcclaimから確認できます

https://www.credly.com/users/tomoya-iwata/badges?sort=-state_updated_at&page=1

GCPはこちらです。Accredibleプロフィールから確認できます

https://www.credential.net/profile/tomoyaiwata398503/wallet

なぜ全種取得しようと思ったのか?

挑戦の動機は色々あるのですが、大きくは以下のような理由からです。

周囲に良い影響を与えたかったから

クラスメソッドはAWSに強みを持つ会社であり、社内ではAWSの資格取得が推奨されています。資格取得を通じてAWSの知識を深めることができますし、社員のAWS認定資格保有数が1,000を超えたとか、AWS Certification Awardの賞を受賞したという事実はクラスメソッドの認知度を高めることに貢献しています。今後もこの勢いを継続していきたいところですが、既にAWS資格12冠の自分はこれ以上AWSの資格数で直接的に貢献することができません。ですので、まだAWS資格を取得していないメンバーが資格取得に興味を持ってくれるように働きかけるような間接的な貢献が重要になってきます。

AWS資格12冠達成後〜2020年の4月頃までは同僚の資格合格報告に対して「12冠!はよ」というリアクションをつける日々を送っていたのですが、これがどこまでAWS資格の啓蒙につながっているかと言われると疑問が残ります。

まあ一定の効果はあったみたいですが...

もう少し直接的に自分の行動で示す「背中を見せる」的な動きができないか自問自答した結果、自分がAzureとGCPの資格を爆速で合格し続ければ周囲のメンバーにとっても良い刺激になるのではないか?と考えました。

何かしらクラスメソッドNo1といえる領域が欲しかったから

クラスメソッドには様々な領域にスキルを持った優秀な人材が数多く在籍しています。RDBに詳しい人、Go言語に詳しい人、Ruby on Railsに詳しい人...この会社の中で、自分はどういうポジションなんだろう?と考えてみると、自分の武器が分からなくなってきます。自信を持って「〇〇なら自分がクラスメソッドNo1です!!」といえるような武器が思いつかないのです。端的にいうとキャラ立ちしていないとも言えるでしょう。大学生の頃から続けているブレイクダンスと、入社直後の四半期報告会の自己紹介タイムのおかげで、一時期「回れるクラウドエンジニア」みたいなキャラで認知されていたような気もするのですが、最近同じチームに世界大会で活躍していたレベルのB-BOY(ブレイクダンスやってる人)が入社したこともあり、すっかり影が薄くなった気がします。多分。

そんな中で、「これならクラスメソッドNo1になれそうだ」と目を付けたのが資格取得です。昔から資格試験に合格するのは得意でしたし、Alexa Skill Builder - Specialty試験に合格して当時の認定資格コンプリートである11冠を社内で最初に達成したという成功体験もありました。何か1つぐらい自分が社内でNo1だと言えるものが欲しいという思いが資格取得の動機につながりました。

単純な技術的好奇心

シンプルにエンジニアとしての本能でAzureやGCPがAWSとどう違うのか?というのは気になるところです。3大クラウドの機能比較のような話をお客さんから要求されることもあります。お客さんとしてはシステムの基盤としてどのクラウドサービスを使うかは重要ではなく、どのようなシステムを構築してビジネスの成功に繋げるかが重要なテーマです。AWSを提案するのであれば、「クラスメソッドはAWSが得意だから」という理由ではなく、「AWSのこのサービスはこういう点で他社クラウドに対する優位性があるから」といった形でAWSを提案したいですよね。そのためには他社クラウドについてもしっかり勉強しておく必要があります。

また、AWSをメインに据えつつも他社クラウドを「部品」として利用するような使い方もノウハウとして身につけておきたいところです。AzureのAzure ADやGCPのBigQueryは「部品」としてAWSと組み合わせやすい代表格ではないでしょうか?

資格取得は役に立つと考えているから

世の中には資格取得に対して否定的な意見を持たれている方も一定数存在します。資格というのはしょせんは机上の空論であり、資格を取ったからといって実務に役立つ訳ではないといった意見です。確かに資格試験にそういった側面があることは否定できませんが、それでも新しい領域に挑戦するときの道標として資格試験は有用というのが私の意見です。

社会人2年目ぐらいの頃に読んだエンジニアのキャリアプランに関する本で、本の題名などは忘れてしまったのですが今でも印象に残っている内容があります。本が手元に残っていないのでニュアンスなど若干ズレているかもしれませんが、概ね以下のような内容だったと記憶しています。

  • Q:技術者として成長していくために資格試験は役に立ちますか?
  • A:ここだけの話めっっっちゃ役に立ちます。資格試験というのはとても頭の良い人たちが、どうすれば効率的に対象領域の知識が習得できるか?を考えて制度設計するものです。頭の良い人たちが時間をかけて考えてくれた制度が我々凡人にとって役に立たない訳がないです。

この本を読んだときに資格試験の有用性が自分の中で腹落ちして、資格試験の勉強に時間を割くことへの迷いが無くなりました。その後IPAの各種試験やLPIC等のベンダー資格を取得するのですが、初めてLAMP環境のWeb系開発案件にアサインされた際にこれらの資格試験を通じて得た知識が大いに役に立ってくれました。資格試験の勉強をしていて本当に良かったと今でも思っています。

会社が受験費用を負担してくれるから

なんだかんだいって重要な部分です。さすがに受験費用が自腹だったらこんなにたくさん挑戦しなかったでしょう。昔からクラスメソッドにはAWS認定資格の受験費用を会社が負担してくれる制度があったのですが、1年と少し前からAzureとGCPの試験についても会社が費用を負担してくれるようになりました。この制度改定をきっかけに、せっかくならやってみるかー というノリで挑戦を決意しました。例えるならばフォルクスにステーキを食べに行ったらサラダバーが付いてきて、せっかくなので全種類の野菜を食べてみる そんな心境です。

実際取得してみて

ここからは目標を達成してみての感想、心境についてです

チームメンバーの資格取得を牽引できた...はず?

前述の通り、挑戦のきっかけとして「周囲に良い影響を与えたいと」いう動機がありました。実際周囲に良い影響を与えられたのでしょうか?この質問に定量的な回答は難しいですが、自分ではYESだと考えています。以下の画像は私の所属部署であるCX事業本部における資格取得状況のダッシュボードです。私の所属する「チームシーサー」の資格取得数がトップです。

そもそもチームメンバーの数が多いという理由もあるのですが、それを差し引いても「圧倒的」といえるレベルです。この1年でチーム内に新たにAWS12冠が誕生しましたし、私以外にもGCP資格をフルコンプリートしたメンバーがいます。きっと私の挑戦を見て多くのメンバーが「自分も頑張ろう!」と思ってくれたんだと都合よく解釈しています。

まだまだ分からないことだらけ

資格はコンプリートしましたが、正直まだまだ分からないことだらけです。仮に自分が今AWS上で開発しているシステムをAzureやGCPに移行する話があったとして、具体的な作業手順のイメージがあまり湧いてきません。資格取得を通じてある程度「広く浅い」知識は身に付いたと思うのですが、バリバリ実務をこなせるレベルには至っていないことを自覚しています。資格取得だけで満足することなく、今後も努力を続けていきたいです。

予言の自己実現

資格試験を通じて新たな知識を習得することはできますが、逆にいうと資格試験の範囲内の知識しか身につきません。結局のところ実務をバリバリこなすためには実務を通じた技術習得が重要です。では資格試験は実務の役に立たないのでしょうか?そんなことはありません。資格をたくさん取得すると周囲からは「詳しい人」として認知されるようになり、技術的な相談を持ちかける頻度が増えます。これは自分の知識を強化するには絶好の環境です

  • 質問に即答できなかった場合も相談してきた人の期待に答えるために色々調べることで自分の知識が自然と強化される
  • 自分が質問に回答できなくても、問題解決後に情報を共有してもらえる

といった効果が期待できます。ここで発生する相談は実務ベースの「生きた」知見に関する相談が多く、 色々な相談に乗っているうちにいつの間にか資格試験だけでは得られない実務寄りのノウハウが蓄積されていきます。

情報をアウトプットする人の元には自然と情報が集まってくるものです。最初は「詳しい人」のフリをしているだけだったのが、いつの間にか本当に「詳しい人」に成長している というのは良くあるパターンだと思います。

学習習慣が定着した

3大クラウドの資格全種取得を決意してから実現するまでの1年弱の間、だいたい2週間に1回程度のペースで試験を受験&合格する生活を続けてきました。このペースを維持するために、ほぼ毎日の何かしらの勉強を続けてきた結果、勉強が完全に習慣化しました。今後は資格取得という枠にとらわれずに幅広いジャンルの学習に時間が割けるので、自分の可能性が広がっていくのが楽しみです。

戦績

参考までに38冠達成までの過程をご紹介します。日付は全て認定日ではなく受験日ベースで記載しています。無事に全ての試験を1発で合格できました。

AWS編その1~前職時代~

前職時代は業務でAWSに触れる機会が無かったのですが、AWSの勉強がしたかったので、諸々の申請書類を記入してAWSの資格が資格奨励金制度の対象になるように社内で働きかけました。結果2016年の上期(4~10月)に3つの資格を、下期(11月~3月)にさらに2つの資格を奨励金対象とすることに成功。言い出しっぺとしての責任を全うするために当時の全AWS資格を取得しました。

  • 2016/6/18 Solutions Architect - Associate
  • 2016/7/10 Developer - Associate
  • 2016/9/14 Solutions Architect - Professional
    • めちゃくちゃ難しくて不合格を確信していたのですが、なんとか合格できました。
  • 2016/10/29 SysOps Administrator - Associate
  • 2017/2/13 DevOps Engineer - Professional

Azure編その1~前職時代~

当時のAWS資格を全種取得したので、今度はAzureだ!ということでAzureの資格も奨励金対象になるよう諸々の手続きを踏み、当時のAzure資格3種を全て取得しました

  • 2017/7/2 533: Implementing Microsoft Azure Infrastructure Solutions
  • 2017/8/13 534: Architecting Microsoft Azure Solutions
  • 2017/9/16 532: Developing Microsoft Azure Solutions

AWS編その2~クラスメソッド入社後~

2018年の5月にクラスメソッドに入社しました。AWS5冠になってから1年弱が経過していましたが、その間にAWS資格も種類が増えていたので、改めてSpecialty系の資格に挑戦。その後も新たな資格が増える度に取得していきました。

  • 2018/6/23 Security - Specialty
  • 2018/8/18 Advanced Networking - Specialty
  • 2018/9/28 Big Data - Specialty
  • 2018/10/2 Cloud Practitioner
  • 2018/12/25 Solutions Architect - Professional(再認定)
  • 2019/1/16 DevOps Engineer - Professional(再認定)
  • 2019/4/7 Machine Learning - Specialty
  • 2019/5/6 Alexa Skill Builder - Specialty
    • 社内で最初に当時のフルコンプリートである11冠を達成
    • AWSの専門部隊ではないCX事業本部の私が最初に11冠を達成したということで、AWS事業本部の一部メンバーが相当悔しがっていたそうです笑
  • 2019/12/24 Database - Specialty

Azure編その2~クラスメソッド入社後1~

ここからが資格フルコンプに向けた戦いの始まりです。前述の通りAzureとGCPに関しても受験費用を会社が負担してくれることになったことをきっかけに、AzureとGCPの資格コンプリートを決意。まずは既に資格を持っていたAzureから攻めることにしました。この頃はAzure...というかMicrosoftの資格制度に色々と変更が入っていたので、実質Azureの資格は0からの再スタートです。もちろん以前勉強した知識はそのまま活かせるものが多かったです

なお、Azureについては複数の「試験」に合格することで初めて認定される「資格」がいくつかあります。そのため取得した資格数+2つまり18個の試験に合格しています。

  • 2020/5/12 AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals
    • Azure Fundamentals認定
  • 2020/6/2 AZ-103: Microsoft Azure Administrator
    • Azure Administrator Associate認定
  • 2020/6/24 AZ-203: Developing Solutions for Microsoft Azure
    • Azure Developer Associate認定
  • 2020/7/15 AZ-500: Microsoft Azure Security Technologies
    • Azure Security Engineer Associate認定
  • 2020/8/6 AZ-400: Designing and Implementing Microsoft DevOps Solutions
    • DevOps Engineer Expert認定
  • 2020/9/2 AZ-300: Microsoft Azure Architect Technologies
  • 2020/9/17 AZ-301: Microsoft Azure Architect Design
    • AZ-300と合わせてAzure Solutions Architect Expert認定
  • 2020/9/24 DP-900: Microsoft Azure Data Fundamentals
    • Azure Data Fundamentals認定
  • 2020/10/14 DP-200: Implementing an Azure Data Solution
  • 2020/10/23 DP-201: Designing an Azure Data Solution
    • DP-200と合わせてAzure Data Engineer Associate認定
    • この試験、なんで合格したのか分からないぐらい難しかったです
  • 2020/10/30 AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
    • Azure AI Fundamentals認定
  • 2020/11/19 DP-100: Designing and Implementing a Data Science Solution on Azure
    • Azure Data Scientist Associate認定
  • 2020/11/27 AI-100: Designing and Implementing an Azure AI Solution
    • Azure AI Engineer Associate認定
  • 2020/12/22 DP-300: Administering Relational Databases on Microsoft Azure
    • Azure Database Administrator Associate認定
  • 2021/1/6 AZ-220: Microsoft Azure IoT Developer
    • Azure IoT Developer Specialty認定
  • 2021/1/21 AZ-120: Planning and Administering Microsoft Azure for SAP Workloads
    • Azure for SAP Workloads Specialty認定
  • 2021/1/28 DA-100: Analyzing Data with Microsoft Power BI

GCP編

当時取得可能だったAzure資格を全て取得したので次はGCP資格の挑戦です。

  • 2021/2/11 Associate Cloud Engineer
  • 2021/2/23 Professional Cloud Architect
  • 2021/3/7 Professional Data Engineer
  • 2021/3/18 Professional Collaboration Engineer
  • 2021/4/4 Professional Cloud Developer
    • 日本語での最後のGCP試験受験
  • 2021/4/14 Professional Cloud Security
    • この試験から全て英語での受験となります
  • 2021/4/27 Professional Cloud Network Engineer
  • 2021/5/9 Professional Cloud DevOps Engineer
  • 2021/5/22 Professional Machine Learning Engineer

Azure編その3~おかわり~

GCPの試験を色々受けている間にAZ-600という試験およびAzure Stack Hub Operator Associateという資格が正式リリースされていました。再度Azureに挑戦です。

  • 2021/5/31 AZ-600: Configuring and Operating a Hybrid Cloud with Microsoft Azure Stack Hub
    • Azure Stack Hub Operator Associate認定

AWS編その3~12冠はコンプリートじゃない~

ようやく目標達成!...と言いたいところなのですが、社内にはAWS資格12冠はフルコンプと認めてくれない厳しい人達が一定数存在します。

CertMetrics上の表記が分かれる以上はBDSとDASは別カウントだと...仕方ない。もうひと頑張り... ということで失効が迫っているSCSより先にDASを受験することにしました

  • 2021/6/8 Data Analytics - Specialty

これでようやく目標達成です!

さいごに

38冠になってもまだまだ分からないことだらけですが、この挑戦を通じて得た学習習慣や知識習得の瞬発力は貴重な財産です。資格を取ったからといって慢心することなく、今後も自身のスキルを磨き続けていきます。

この記事が各種の資格に挑戦されている方の励みになれば幸いです。

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